◇ 天才マンの生まれ星 ◇

 天才マンは勝利マン、友情マンと同じくよっちゃん編で仲間入りしたヒーローであり、元敵ながらちゃっかり「生月天才」として洋一たちの学校に転校してきたレギュラーキャラである。しかしながらその出身地や生い立ちは一切本編中で語られていない。そこで、勝手に天才マンが生まれた星はどこなのか妄想推測してみた。


   推測その1  天才星

 出身星が明らかになっているヒーローを見ると元祖ラッキーマンはラッキー星。トップマンはトップ星。努力マンはガンバル星と大体そのキャラの名前や特徴がそのままの名前の星で生まれているようである。この流れでいくと天才マンの生まれた星は天才星。もしくは優秀星や才能星と考えるのが妥当。



   推測その2  ひしょ星

 ひしょ星。その名の通り会長の秘書、ひしょ・ひしょ香嬢の生まれ故郷である。なんでここにひしょ香が出てくるかと言うと、天才マンとひしょ香の二人を見比べてみると結構共通点が多く、同じ星の生まれ(同じ種族)でもおかしくないからである。
 その共通点とは
  • 全体的な形状は地球人と大して変わらない。
  • 耳の形がヘッドホンの耳当て部分に似ている。
  • 頭に星がついている。
 以上3点。
 3つだけと言えばそれまでだが努力三兄弟よりよっぽど似ている。
 また天才マンの行動を見てみると、天才天才としきりに自分の優秀性を主張している割に、積極的に皆の先頭に立とうとはせず、どちらかと言えばサポート的なことをしてることが多い。 特にぼっちゃんマンに扮したヒーロー神に対して大会のベスト16に残して協会のヒーロー達の実力を見やすいよう便宜を図ったり、会長に色々助言をしたりと、上司に対して気遣いができており、秘書的と言えなくも無い。
 そしてこれは天才マンがひしょ星出身という根拠にはならないが、天才とひしょ香は性格的にも自分のルックスに大きな自信を持っており、そんな自分は異性にとって魅力的な存在であると確信している。という点が共通している。

 かなりこじつけっぽい説だが天才がひしょ星出身とすると、もしかしたらひしょ香はよっちゃん編のテレビ放送等で天才の存在を知ったのではなく、「今は行方不明だけど、この星にもの凄い天才がいたんだよ」という具合にずっと前から知っていて憧れていた。といった想像をしてみるのも面白いかもしれない。 



   推測その3  平凡星

 管理人的にはこれを推す。
 ラッキーマンを読んでいて気になったのは56話「恨みはらします!」(5巻収録)の天才の回想シーンで出てきた「ほめられたことはあっても、人に説教などされたことのないこの私」というセリフである。
 認定証会得時の天才マンが一体何歳なのかは不明だが、それなりの年齢に達していると思われる。生まれてからそれまで一度も説教されたことが無いなんて普通ありえるだろうか?
 確かに天才マンは天才であり、超エリート。その才能と実力には文句のつけようは無いが、性格的には完璧とは言いがたい人物である(そこが好きなのだが)。ナルシストで自画自賛が激しいとか、ネーミングセンスが悪すぎるというのには目をつぶるが、問題なのは生月天才として洋一たちのクラスに転入してきた際、善良教師マンに対して「ふっ バカを言うな。この天才になにを教えるというのだ」「さーっ この天才に授業をしてみろーっ!」と授業妨害としか思えない発言と行動をしたことである。
 善良教師マンが思わず「じゃあ学校くんなよ」と言ってしまうのも当然な態度で、この性格で一度も説教されたことが無いというのはかなり不自然。これは相当甘やかされた環境で育ったものと思われる。それも親からというレベルではなく、周りの人間全てが天才に甘い態度をとっていたのだろう。

 ラッキーファンの方には「さっちゃん(バックコスモス・サミット16世)と同じような環境」と言うと判りやすいかもしれない。 さっちゃんは元々王位継承者という巨大な権力と財力を持つ立場におり、その上救世手の他にもう一つ特別な手を持って生まれた等の理由で裏宇宙の民全員からチヤホヤされて育ったわけだが、全住人の能力、容姿、性格の全てが平凡な平凡星(凡人星でもいい)で、50億年に一人の天才が生まれたら、その星がちょっとした天才ブームに沸きかえっても不思議ではない。


例えばこんな感じ。

 平凡星は平凡だから特に大変な事件が起きたりしない平和な星。しかし住人全てが平凡で突出した能力を持つ者がいないため、今までどんな大会に出ても平凡星代表は平凡な成績で終わり、他の星の住人から「お前とこの星、一人もヒーローや有名人を出してないよな」などと言われ悔しい思いをしてきた。当然、宇宙史に名前を残せた者など一人もいない。

 しかしそんな平凡星である日、一人の非凡過ぎる子どもが誕生する。
その子は生後1ヶ月も経たないうちに、大人以上の知識と知能を身につけ、試しに色々な問題集を与えてみたところ、宇宙一の難関校の試験問題もあっさりクリア。
更にその辺のガラクタを凄い機械に改造したり、通りすがりの悪党を一瞬で焼き消す光線を出したりと、あらゆる面で天才的な素質が溢れまくっており、ルックスも最上級でキラキラが実体化するほどの美形。
 平凡でただ一人突出した能力と容姿を持って生まれた天才はたちまち平凡星のアイドル的存在となり、星全体が天才ブームに包まれた。「天才少年、大人になったらだたの人」という言葉もあるが、天才マンの天才ぶりは年を重ねても全く衰えることなく、むしろ周囲の人々から注がれる期待や賞賛を吸収しているかのように、どんどんその才能を伸ばしていく。
 さすがに王位継承者であるさっちゃんのような無茶(気に入った女を拉致したり、逆らう者を殺したり等)ができる立場ではなかったが、平凡星の人々は天才が何をやっても「さすが天才!」と褒め称え、どうしようもなくつまらないギャグやネーミングに対しても「お前のギャグは高度過ぎて凡人のオレには理解できないな」という返しを行い、そして何か問題あることをしても「天才とはえてしてそういう(変だったり非常識だったりする)ものだ」とロクに注意すらしなかった。

 おかげで「私って最高! 完璧!」なナルシストになり、自分の優秀さをひけらかす鼻持ちならない性格に育ってしまったわけだが、今まで全く敵わなかった他星の優秀な者達をあっさり打ち負かし、自分達にはできないことを次々にやってのける天才の姿は平凡星の人々の目に爽快なものとして映っていただろう。
 また天才は基本的に優等生タイプで褒められるのが大好きなので、周囲からの頼みごとに対し「やなこった」とか「して欲しかったら〇〇円よこせ」ということもなく、 「〇〇してくれ」→「ハイ!」→「できました! 所要時間わずか〇〇」→「素晴らしい! さすが天才!」という具合に平凡星の人々と天才の関係は非常に良好なものだったと思われる。 そのため周りも「ちょっとアレなとこがあるけどまあいいか」と、天才の性格や天才に対する自分達の接し方に対し、特に問題意識を抱くことはなかった。

 そうして天才は一切否定されることなく育ち、自分は全てにおいて完璧で欠点など何一つ無い超エリートという幻想を抱いたままヒーロー教会に入る。 平凡星の人々も「ヒーロー認定証獲得第1号となれば、その名が永遠にヒーロー史に刻まれること間違い無し! これで自分達も自分達の子孫も、あなたの星の有名人は誰か聞かれた時、胸を張って『ヒーロー認定第1号の天才マン』と答えられる!」と期待タップリに送り出したに違いない。

 まさかその後、たった一度の挫折と説教が原因で親指グンジョーとなり、何万ものヒーローを殺してヒーロー星を壊滅させた人物として、宇宙犯罪史にも名を刻むことになるなど想像すらしなかっただろう。


END

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